まず、この人達は作品を完成させ人の目に触れさせることができました。それだけで素晴らしい事だと思います。どの人も当然ですが技術的にはお話も作画もつたないです。ですがそれぞれ伸びしろがはっきりしており、今後の作品への取り組み方次第でいくらでも化けると思います。共通の課題としては「何で読者を楽しませようとしているのか」が見えない事です。描いている自分が楽しめるのは大切な事ですが、読者に展開を期待させ・その期待に応える作劇の力を身につけてください。どの人も「次に描く」作品が重要だと思います。目を見張るような成長を期待しています。
どの作品も読み応えのある漫画でしたが、個人的にさのさくらさん作の「17」がとても気になりました。絵が可愛らしく、キャラクターが個性的で印象的なスタートから淡々と進んでいくお話にこの先どうなるんだろう? と言うところで終わってしまって、「引き」に惹かれてしまいました。連載になったら2話目が楽しみだなと思いました。漫画賞の作品としては「続き」がある想定は異色なのかとも思いましたが先が気になる作品はやっぱり良いなと感じました。読切1話でお話を作ってまとめて仕上げるというのはとても大変ですが、どの漫画も個性的な世界を作り上げていて素晴らしいと思いました。